白味噌(西京味噌)

白味噌の作り方

このレシピの白味噌は麹歩合は24、塩分濃度は7%程度です。米麹の多さと塩分濃度の低さが、甘口の白味噌を作る時の決め手となります。

できあがった白味噌は、市販の水飴を添加したタイプの白味噌とは違って、絡みつくような甘みがなくて、塩味も薄く、とても優しい味がします。

短期熟成だと長期熟成タイプの味噌と違い乳酸発酵していないため、酸味もありません。(放っておけば乳酸発酵して酸味が出てきたりすることもあるので、乳酸発酵しない、ということではありません。)

塩分が少ないため、常温で2、3ヶ月以上放置すると風味が変わってしまうので注意しましょう。短期熟成後は、冷蔵保存してすばやく食べてしまうのがおすすめです。

材料(約1.5kgの出来上がり/麹割合24)塩分濃度7%:

  • 生の米麹 720g
  • 乾燥大豆 300g
  • 塩(品質の良いもの) 100g

必要な道具:

  • 大きめの鍋(圧力鍋があるとよい)
  • ブレンダー、もしくはミキサー
  • 大きめのボウル
  • 茹でた大豆をペースト状にするための容器
  • 食品用のプラスティック製の保存袋(ジプロックなどのフリーザーバッグ)
  • ヘラ
  • 料理用の使い捨て手袋
  • ヨーグルトメーカーなどの保温機

準備


duration
about 5-10 min.

前日に大豆をよく洗い、大豆を大豆の量の5倍程度の水で浸水させる。
ぬるま湯を使えば、大豆が早く吸水する。
写真は大豆をぬるま湯に浸けて、すぐに撮影したもので、水に浸すと大豆の皮がシワシワになってくる。

最終的にこの皮をすべて取り除く。

師走の寒い日に水に15時間程度浸水させた大豆。
大豆を割ってみて、内側がまだ完全に水を吸っていないのがわかる。ぬるま湯でさらに浸水させる。

大豆の外皮を剥き、茹でる


duration
about 80-120 min.

完全に浸水した大豆の皮を剥いていく。
剥いた皮は捨てる。300gの皮を剥くのに、1時間はかかる。この作業を省くと、白味噌の食感と色合いが悪くなる。

大豆の皮を剥いたら、大豆を浸水させていた水は捨て、新しい水に替えてから、大豆を茹で始める。
大豆を茹でる水を新しくすることで、仕上がりの味噌が一段と白くなる。

火にかけた大豆からアクが出てくるので、アクを丁寧にとる。

アクがとれたら、大豆を鍋で煮る。
圧力鍋の場合、圧がかかってから、20分。普通の鍋で、指先で茹で上がった大豆が簡単に潰れるぐらいまで煮る。

茹で上がった大豆をペースト状にするために鍋から別容器に移す。大豆が熱いうちにペーストにしておく。
ここからの作業は米味噌の作り方と類似しているので、細かい部分のヒントについては米味噌を参照。

大豆の温度が冷めるのを待つ。

塩切り麹と大豆ペーストを混ぜる


duration
about 10-15 min.

分量の米麹と塩を混ぜておき、麹を塩切りしておく。
なめらかなペースト状になった大豆と塩切り麹と混ぜる。

35度以下になった大豆と塩切り麹を混ぜる。

塩切りした麹と大豆ペーストを混ぜていく。白味噌は米麹の比率が多いため、この米味噌のレシピと比べると、米麹がかなりぱさぱさして、生地のまとまりが悪く感じられるが、白味噌の熟成が進むと、水分が出てくるので、今回は大豆の煮汁は入れずに作った。このレシピでは生の米麹を使うことを前提にしている。もし乾燥米麹を使う場合には、茹で汁を入れないと水分が少なすぎるかもしれない。

ボウルの中で、空気を抜くようにして生地をなじませる。

白味噌をジプロックに詰める



duration
about 5-10 min.


ジプロックのようなフリーザバッグに空気が入らないように、味噌の生地を詰めて封をする。
多少の空気が入ってしまっても、フリーザーバッグの場合には、あとから容易に空気を出すことができる。
わずか数日で生地が馴染んできて、空気の気泡が袋の中に見えることがあるので、その場合は、フリーザーバッグの口を開けて空気を外へ出す。

白味噌を糖化熟成させる



duration
about 3 weeks

塩分濃度の低い白味噌は長期間、常温での発酵、熟成には向いていない。
今回仕込みを行なったのは、12月の寒い時期。
室内は暖房をつけていると言っても、室温も低い。

実際に、このレシピの白味噌を2回仕込み実験を行なった。
ひとつは3ヶ月常温保存で発酵熟成させ、ひとつは保温して糖化熟成を試みた。

室温で3ヶ月常温熟成をした白味噌は、風味が完全に悪くなってしまい、終いにはペイント臭のような食欲の唆らない風味に変わってしまった。腐ったわけではなく食べられなくはないが、風味は大変マズい。

そのため、白味噌の仕込みでは、早めに熟成を終え、その後は冷蔵保存するのがよい。

私が試してみた保温の方法3つ。

1) ヨーグルトメーカー
2) ホームベーカリーの発酵モード
3) 電気毛布

1で使ったのは、TANICAのヨーグルティア。

30度の低温保温で48時間回す。

これを何度か繰り返すと米麹から水分が出てきて、ジプロックに入れた白味噌が水分の多いトロトロした状態になってくる。

冬場の室温だと米麹が溶け出すのに時間がかかるけれど、保温の方法を使うと工程が早くなる。
パン焼き器の発酵モードも電気毛布での保温も、保温し出すと同じように米麹が溶けて、水分が多くなってきて、糖化が進んでいるのがわかった。

出来上がった白味噌を冷蔵保存する



ヨーグルティアで保温した後、3週間常温熟成をさせたもの。

食べてみて、ツンとした塩気がなく、甘みが感じられたら出来上がり。冷蔵保存してなるべく2、3ヶ月のうちに食べきる。

甘く感じられないからと言って、長いこと室温で放置しておくと、あっという間に風味が変わってしまうので要注意!

左は3ヶ月熟成の麹割合15、塩分濃度11%の米味噌。
右は3-4週間の熟成後に冷蔵保存した白味噌。

冷蔵保存した白味噌は冷蔵庫の中での熟成期間が長くなっても、色が白いままだった。

滑らかにしたい場合には、すり鉢ですれば、滑らかになる。

白味噌はすりつぶすと滑らかなペースト状になるけれど、味噌汁にする場合には、すりつぶさなくても問題なく溶ける。
味噌だけで食べてみて甘いと感じなくても、実際に白味噌で味噌汁を作ってみると、11%塩分の米味噌よりもとても甘みがある。