醤油作り用の醤油麹

材料

  • 大豆 360g
  • 丸小麦(砕かれていない丸い状態のもの) 375g
  • 醤油作りのための麹菌 1g程度

必要な道具:

  • 大きな鍋(圧力鍋を推奨)
  • 蒸し器(できればステンレス製)
  • 蒸し布(60x80cmぐらいのもの)
  • ボウル(小麦と麹菌を混ぜるもの)
  • タッパー(33cmx41cm、高さ13.5cmの14.5L容量のもの)
  • ビニール袋(45Lサイズ)
  • しゃもじやスプーン(大豆や麹菌を混ぜるためのもの)
  • 温度調節のできる電気毛布
  • 温度計
  • 保冷剤(温度を下げるためのもの)



《前日の準備》大豆の浸水


大豆を水の濁りがなくなるまで、もみ洗いするようによく洗う。
12~24時間、大豆が完全に水を吸い上げるまで十分に浸水させる。

冬場は15時間以上は最低水に浸す。大豆の表面にシワがなくなり、ふっくら完全に丸くなっていればよし。急ぎの場合は、ぬるま湯にしておくと、行程が短くなる。

暖かくなった4月の気候でも、常温で12時間では足りないぐらいだった。大豆を水の濁りがなくなるまで、もみ洗いするようによく洗う。
12~24時間、大豆が完全に水を吸い上げるまで十分に浸水させる。

冬場は15時間以上は最低水に浸す。大豆の表面にシワがなくなり、ふっくら完全に丸くなっていればよし。急ぎの場合は、ぬるま湯にしておくと、行程が短くなる。

大豆を完全に浸水させるには、暖かくなった4月の気候でも、常温で12時間の浸水では足りないぐらいだった。


ホール小麦を炒める


使用したのは、ドイツのオーガニックショップの全粒小麦。
日本で売られている丸小麦でも、もちろん作ることができる。

大豆と同量の体積の丸小麦をフライパンで炒める。

使用したのは、鉄製のフライパン。
弱火から中火の火加減で、15分程度、焦げないように、ずっとかき混ぜておく。

左が生の状態の小麦、右が炒めた後の状態。
炒めた後の丸小麦は、生の状態の時よりも、透明感がなくなり、白っぽい箇所が多くなり、茶色い部分も粉っぽく見える。

十分に炒めると、パチパチという音がしてくるので、そうなったら火から下ろす。
今回は、あんまり焦げ無い程度にあっさりと炒めて、終了。


ホール小麦を砕く


大さじ2~5程度の少ない量を 山本電気のミキサー(YE-MM41W)に入れて、15秒~30秒間、モード7で回す。
スタンドタイプのブレンダーでも何度も小麦を砕いてみたけれど、麦を砕くには時間もかかる。ハンドタイプのブレンダーではいささか馬力が足りなかった。

あまり長い時間を回しすぎると小麦が粉状になってしまうので、荒く砕けた状態になる程度で止めておく。

大さじ2程度を15秒程度、モード7で回すとちょうどよい具合に荒く砕くことができた。(写真では大さじ2よりも多い量が入っている。)

一度の全量をミキサーに入れると、長い時間、回せば回すほど粉の部分が多くなってしまう。
手間がかかるが、少量ずつやるとうまくいく。

砕いた小麦は別容器に入れて冷ましておく。


大豆を蒸す


浸水し始めてから、12時間後の様子。まだちょっとふくらみが足りないので、更に水につけておき、大豆が完全に水を吸うのを待つ。

蒸し布でくるんで、ふたをして、圧力鍋で15分ほど蒸す。醤油用の醤油麹を作るときは、大豆を茹でてはいけない。

蒸し上がった状態の大豆。水で煮た場合より、蒸した場合の方が大豆の色が濃い。


大豆をカットしてみた。ちゃんと中まで火が通っている様子。

20度の温度になるまで、大豆をタッパーの上に、蒸し布ごと広げて、冷ます。
蒸し布は、大豆を覆い尽くすことができるぐらいの大きさがよい。

今回は、33cmx41cmの大きなタッパーを使った。500gの大豆が、広げが大豆が重ならない程度の大きさのものが必要。大豆を重ねておいてしまうと内部の温度が上がってしまいやすくなるため、納豆菌に犯されてしまう。放熱できるように、平べったい、大きめのタッパーを使うのがおすすめ。


種菌をつける(種付)


こうじ座で買った醤油用の麹菌。この麹菌は醤油醸造のために大豆や小麦専用の麹として売られているもの。学名は、味噌や甘酒を作る麹菌であるAspergillus oryzaeであるけれど、醤油醸造用の麹菌は大豆のタンパク質を分解する力が強いそう。

こころなしか、色が緑っぽい。少し多めに2gほど使用。

砕いた小麦に麹菌をよく混ぜておく。


仕込み開始


20度ぐらいになった蒸し大豆と小麦を混ぜる。

大豆を捏ねて潰してしまわないように注意する。捏ねると菌が繁殖しにくくなるらしい。

小麦の粉で大豆の表面が覆われる。
大豆は温度が高くなると納豆になってしまいやすいが、大豆を粉で覆うことで雑菌を繁殖しにくくするという役割がある。

蒸し布で包む。温度計とかき混ぜるために使ったスプーンも後で使うので、一緒にくるんでおいた。

タッパーの蓋をずらして置き、タッパーを大きなビニール袋に入れる。口を閉じずに、空気が入るような状態にして、電気毛布と毛布で保温する。
温度計が箱から飛び出しているので、折らないように注意する。

最初は品温が30度ぐらいになるまで電気毛布の温度を高めに設定しておいた。

品温が高くなりすぎると、雑菌にやられてしまう可能性があるので、30分から1時間おきに細かく温度をチェックした。

温度が高くなりすぎないように細心の注意を払い、品温が30度~33度ぐらいを超えないように温度設定を行う。

次の手入れは約18-22時間後に行う。その間、就寝する場合は、就寝前に温度が高くなりすぎないように様子を見ながら、少し温度設定を低めにしておく。今までの経験からすると、36度以上になると、失敗する確率が高かったので、温度設定は33度を超さないように低めを目指した。

22時間後、品温は35度近くまで上がっていたので、一旦取り出し、手入れをした。

手入れをすることで、温度が上がりすぎるのを防ぐことができる。

35度以上温度が高い場合には、保冷剤などをタッパーの下に敷くなどして、温度を下げるようにする。
春から夏の終わりにかけての仕込みは特に、急激に温度が上がりやすくなるので、保冷剤は必須になる。

22間後の手入れの時の様子。
最初に比べると、小麦の粉が大豆のまわりに絡みついて、全体的に麹菌の胞子らしきもので覆われ始めてきたように見える。

タッパーの角の部分で、電気毛布のあたりが悪かった部分(温度が低い部分)は大豆の素肌が見えたような状態で、こちらは粉っぽくなかった。つまり、発酵に適した温度でない部分は、麹になりにくいよう。

まんべんなく手早く全体を混ぜて、布で包み、また保温する。

発酵の後半になると、温度が特に上がりやすくなるので、3時間おきに温度チェックするなどしていた。

種麹屋さんのアドバイスで「xx時間後に手入れをするより、37度まで温度が上がった時点で手入れをするのがよい」と麦麹作りの時に教えてもらったので、この経験を生かし、時間ではなく、温度を軸にして、手入れをすることにした。

醤油麹の場合は、温度が高いと納豆菌にやられてしまうので、33度ぐらいまでしか温度が上がらないように注意した。

これ以降は、温度が上がりすぎていたら、冷ますために手入れをするようにした。

就寝時は数時間、温度がチェックできないので、この日は3時間半後に起きて、温度チェック後、電気毛布の温度を設定しなおしてから、寝直した。


出麹(48時間後)


約48時間後、出麹での状態。
全体的に、うっすらと緑がかっている。

覆っていた蒸し布を醤油麹に被せずに、醤油麹を乾燥させる。

乾燥させて、温度を下げることで、麹菌の発酵を止める役割がある。

出麹から1日後、さらに醤油麹全体が緑っぽくなった。

新鮮なうちに醤油作りに使いたかったので、すぐに醤油作りにとりかかることにする。

完成した醤油麹のアップ。肉眼でもふわふわした胞子が確認できる。

単焦点マクロレンズで撮影すると、麹菌の胞子が小麦の割れた部分にまでびっしりと生えている。麹菌撮影にはマクロフォトレンズがとても役にたつ。
使っているのはキャノンのMP-E65MM。