黒豆味噌

作り方 味噌


黒豆味噌

黒豆味噌の作り方:栄養価の高い黒豆で作る米味噌

黒豆で米味噌を作ってみました。

二倍麹の米味噌のレシピと同じように、豆に対して自家製米麹を2倍の分量を使用しています。

米味噌のレシピでは、煮豆にして火を通していますが、黒豆味噌では豆の黒さが保たれるように、蒸し煮にしています。


材料(麹割合20):

  • 生の米麹 560g
  • 乾燥大豆 280g
  • 塩(品質の良いもの) 161g

必要な道具:

  • 大きめの鍋(圧力鍋があるとよい)
  • ブレンダー、もしくはミキサー
  • 大きめのボウル
  • 茹でた大豆をペースト状にするための容器
  • 食品用のプラスティック製の保存袋(ジプロックなどのフリーザーバッグ)
  • ヘラ
  • 料理用の使い捨て手袋

準備


duration
about 12 hr.

黒豆をよく洗い、一晩浸水させる。

豆を蒸す


duration
about 20 min.

次の朝、水を切った黒豆を圧力鍋で蒸す。

圧力鍋に蒸し器とクッキングペーパーを敷く。
クッキングペーパーは幅33cm以上のものを使用すると豆がこぼれなくてよい。

新豆のため、豆が柔らかめだったので、15分圧をかけ、その後火を止める。蒸らしてから、圧力がとれてから蓋を開けて確認する。
指先でつまんで豆が崩れるぐらい十分に柔らかければ蒸しあがり。

大豆で作る米味噌と同じ要領で、ブレンダーやミキサーで豆をペースト状にする。
塩切りした米麹とボウルの中で混ぜる。塩切りと詳しい袋の詰め方については、米味噌と似ているので、こちらを参照。

米味噌と同じように、ジプロックのような密封できるタイプの保存袋に詰める。
仕込み直後の黒豆味噌。白い米麹と黒い黒豆の皮が混ざりあって、白黒のコントラストが際立っている。
それから数ヶ月熟成させる。

熟成


duration
about 2-4 months

仕込みから2ヶ月の様子。仕込みの時よりも、米麹から水分が出てきて、やわらかな状態になってきた。

左が熟成2ヶ月後、右が熟成1年後の黒豆味噌。
二倍麹で作っているので、熟成が進んでいれば3、4ヶ月目でも食べられる。初夏のような湿度と温度になってくると、ジプロックのような密封袋でもカビが生えてしまうので、冷蔵庫で保存をおすすめする。

この写真の黒豆味噌は、1月仕込みで4ヶ月ほど室内の常温保存で熟成させたのちに、冷蔵庫で保存していた一年ものの味噌。
熟成後、色がとても濃くなっている。
大豆の味噌と変わらない、甘みと塩味のバランスがよい。味噌汁にしても、黒さは気にならずとても美味しい。


カカオ味噌

作り方 味噌


cacao miso (chocolate miso)

生カカオを使って、念願のカカオ味噌を作ってみることにしました。

カカオの入手先は、京都にお店を構えるDari Kさん

産地と提携し、高品質なカカオ豆で作られた最高級チョコレートを世に送りだしているお店です。こちらのチョコレートを食べた時から、カカオ味噌を作る時はDari Kさんのカカオ豆で、と決めていました。

大豆とカカオでは成分が違いますが、果たしてうまく味噌になるのでしょうか?

材料:出来上がり 約800g

※レシピの中で使用したのは、Dari Kさんの生カカオ(ホール)


必要な道具:

  • 大きめの鍋(圧力鍋があるとよい)
  • フードプロセッサー
  • ボウル
  • 食品用のプラスティック製の保存袋(ジプロックなどのフリーザーバッグ)
  • ヘラ
  • 料理用の使い捨て手袋

レシピの中で使用したフードプロセッサー:

カカオを滑らかなペーストにするには、このタイプのフードプロセッサーがおすすめ。

準備


duration
12-24 hours

Dari Kさんの生カカオ(ホール)を使用。

封をあけると、生カカオはチョコレートの香りに加え、とても酸っぱい香りがする。
生カカオを一度、さっと水洗いしてから、一晩、浸水させる。


カカオ豆を圧力鍋で煮る



duration
about 3 hours

翌日の様子。大豆のようにホールカカオが水を吸ってふくらんだというような気配はないけれど、カカオの皮が少しは柔らかくなっている。

圧力鍋に入れて、3時間程度煮る。
アクは出てくる様子がなかったので、水が煮立ったら、そのまま蓋をして、圧をかけたまま3時間で煮る。

今回、生カカオを購入したDari Kさんにに聞いた聞いたところ、味噌を作る場合、生カカオを半日~1日ほど浸水させておくのがよいそう。

圧力鍋を使わずに生カカオを煮る場合には、8時間ぐらいを目安に煮るそうだが、圧力鍋を使うと大豆を茹でる時にも20分程度しか時間がかからないので、圧力鍋をおすすめする。

煮ている間、カカオの酸味が感じられる匂いが部屋に充満する。

3、4時間もの間、圧力鍋で煮ると煮汁が少なくなるので、カカオの量の7倍ぐらいの水で煮ながら、1時間ごとに煮汁が少なくなりすぎていないか、鍋の圧をとり、蓋を開け、煮汁の量をチェックする。

煮汁がなくなって、空焚きしないように要注意。

4時間弱、圧力鍋で煮た後のカカオ。
鍋で煮ると、8時間ぐらいかかるらしいので、圧力鍋がおすすめ。フィスラーはパッキンや部品が摩耗しても交換部品が売っているので、かなり長い期間使えておすすめ。

煮汁からカカオ豆だけを取り出す。
煮汁は後から利用するので残しておく。


指先でカカオ豆を潰すと、形が崩れるほど柔らかくなった。

カカオ豆をペースト状にする



duration
about 30-50 min.

カカオ豆をミルサーでペースト状にする。
茹でた大豆のように柔らかくないので、ブレンダーを使うとかけらがボウルから飛び散ったりするので、蓋つきのミキサーの使用が必須。
カカオをペーストにするために私が使ったフードプロセッサーはこれ。

ミルサーを数分間回して、しっとりしたペースト状にする。
途中、ヘラで全体が均一になるようにかき混ぜる。

なめらかなペースト状になったカカオペーストを塩切り麹と混ぜる。
カカオ豆は脂質が多いだけあって、なめらかなペースト状になると、油分でしっとりと濡れたようになってくる。

塩切り麹とよく混ぜる。カカオの油分と水分でしっとりとした塊になる。
チョコレートの香ばしい香りがする。


発酵・熟成させる



duration
about 3-6 months

ジップロックタイプの保存袋に入れて、数ヶ月発酵させる。
今回は、3月〜7月頃まで常温で発酵させておき、真夏が来るまで放置しておくとカビやすいので、冷蔵保存に切り替えた。


出来上がり!



やはり油分が多いせいか、とてもしっとりしている。

味噌汁にして食べてみると、味は大豆でできた味噌にとても近い。
味は味噌なのに、チョコレートの香りがする。

ダークな汁の色合いを見ると明らかに大豆の味噌汁ではないことがわかってしまうけれど、目と鼻を利かせずに食べれば、かなり大豆の味噌汁の味に近くなる。

十分に発酵期間をとったはずだけれど、大豆成分の味噌と比べると、塩味が少しきつめに感じられる気がするのは、もしかすると味噌の旨味にもつながるタンパク質含有量が大豆よりカカオの方が少ないからかもしれない。

みりん

みりん 作り方


材料

※1合を約148gで計算した場合
このレシピは、三河みりんの伝統的な分量に基づいて、もち米9:米(糀)1の割合で作る麹歩合10%、焼酎歩合50%で計算しています。


必要な道具:

  • 大きな鍋(圧力鍋を推奨)
  • 蒸し器(できればステンレス製)
  • 蒸し布
  • 仕込みの容器 1.5L程度のもの
  • かき混ぜるためのスプーン
  • 温度計




《前日の準備》もち米を浸水させる


仕込みの前日の晩、もち米を米ぬかがとれるまでよく洗う。
大きめのボウルに水を入れ、一晩浸水させる。


もち米を蒸す


次の日、浸水させておいたもち米をざるにあげる。よく水気を切る。
今回使用した814gのもち米の吸水後の重さは1123g。つまり、1.38倍の重さになった。

大きめの鍋に、水と蒸し器を入れる。その上から、クッキングペーパーを敷き、その上にもち米を置く。
使用したクッキングペーパーは33cm幅のもの。幅の狭いものを使うと、もち米がこぼれてしまうので、幅広タイプのものがよい。
クッキングペーパーでもち米を蒸すと、蒸した後に付着しないので、蒸し布よりも扱いやすい。
蒸し器の使い方は、米麹の作り方を参照。

圧力鍋の場合、もち米を20分蒸す。普通の鍋の場合、圧力鍋の倍程度の時間をかけて蒸す。
もち米が水分を吸いすぎて、べとべとにならないように、カラッと蒸しあげるようにする。
もち米の蒸し方も、うるち米を米麹にする時と同じような方法で行ったので、そちらを参照。

もち米が蒸しあがったら、クッキングペーパーごと鍋から取り出して、大きめのタッパーや台の上で広げて、温度を20度ぐらいになるまで冷ます。


蒸しあがったもち米は、透明感がある。

指先でつぶすと芯がなく、柔らかいが、水っぽくはない。食べてみるとちょっと硬め。このまま、捏ねれば餅になる。


焼酎について


左が25%、右が40%の米焼酎。
単式蒸留(乙類)の焼酎を使用。

40%の焼酎を口に含むと口の中の粘膜が痛いほどアルコール分が高い。

40%の米焼酎の代わりに、25%の米焼酎を使う場合、出来上がりのアルコール分が薄くなるが、仕込みには問題なく使うことはできた。蔵見学をさせてもらった三河みりんを製造されている角谷文治郎商店さんでは、40度の焼酎を使用されていたので、今回はそれにならい40度の焼酎を使用した。

角谷文治郎商店さんでは、仕込みに使う米焼酎まで自社製造されているというこだわりがあったが、素人には真似できないので、焼酎は市販のものを使用した。

海外でみりん作りに挑戦したい場合、ドイツでのみりん作りは、米を使った蒸留酒が手に入らなかったため、穀類を原料とした38%のDoppelkornを使用した。
蒸留酒の中でもテキーラなどの蒸留酒は香りが強いので、風味づけのされていない蒸留酒を選ぶようにした。他には、ABSOLUT VODKAなどの無色透明の蒸留酒で40%程度のアルコール含有量のあるものを試した。
いずれも、出来上がりには問題なかった。


みりんのもろみを作る


焼酎を計る。

蒸しあがったもち米が20度以下になるまで冷めているのを確認する。

焼酎に米麹を入れて、米麹の塊があれば、スプーンなどでかき混ぜて、米粒の塊をほぐしていく。

消毒した仕込みの容器の中に、焼酎、米麹を入れてよく混ぜる。
もち米と焼酎、米麹を混ぜ合わせたものが、みりんの醪になる。

混ぜた直後は、醪が固くて米しか見えないが、熟成が進むと水気が出てくるので心配しなくてよい。
大きめのスプーンなどで均一になるように全体をよく混ぜる。


熟成開始:みりんの糖化


仕込みが終わった状態。
今回使用したのはWeckの1.7Lの容器。

蓋は密封せずに、かぶせておくだけでよい。

Weckの容器は消毒する時は、熱湯消毒をすると割れてしまうことがあるため、熱湯消毒よりはエタノール消毒がおすすめ。

麹歩合10%のため、もち米の割合が9、米麹の割合が1となる。

ここから使用した米と同じだけの体積のみりんが出来上がる予定。
角谷文治郎商店さんのところで「米一升、みりん一升」という製法について聞いたが、これは原料に使用した米と同量のみりんが作られるということを意味しているそうだ。

1日後、焼酎を吸って、米粒が膨らんだ状態になっている。焼酎の液体が全く見当たらない。

角谷文治郎商店さんを見学した時に聞いた通り、仕込み直後のみりんのもろみは「米の上に人が立てるくらい」固そう。

時間の経過とともに、だんだんと麹米が溶けてくるように柔らかくなるので、時々、かき混ぜておく。

このまま3ヶ月置いたのちに、漉す。絞った液体がみりんとなるので、それをさらに1年熟成させると出来上がりとなる。《続きは2018年11月にアップ予定》