材料
- もち米 5.5合(約814g)※
- 生の米麹 100g
- 焼酎 452ml
※1合を約148gで計算した場合
このレシピは、三河みりんの伝統的な分量に基づいて、もち米9:米(糀)1の割合で作る麹歩合10%、焼酎歩合50%で計算しています。
必要な道具:
- 大きな鍋(圧力鍋を推奨)
- 蒸し器(できればステンレス製)
- 蒸し布
- 仕込みの容器 1.5L程度のもの
- かき混ぜるためのスプーン
- 温度計
《前日の準備》もち米を浸水させる
仕込みの前日の晩、もち米を米ぬかがとれるまでよく洗う。
大きめのボウルに水を入れ、一晩浸水させる。
次の日、浸水させておいたもち米をざるにあげる。よく水気を切る。もち米を蒸す
今回使用した814gのもち米の吸水後の重さは1123g。つまり、1.38倍の重さになった。
大きめの鍋に、水と蒸し器を入れる。その上から、クッキングペーパーを敷き、その上にもち米を置く。
使用したクッキングペーパーは33cm幅のもの。幅の狭いものを使うと、もち米がこぼれてしまうので、幅広タイプのものがよい。
クッキングペーパーでもち米を蒸すと、蒸した後に付着しないので、蒸し布よりも扱いやすい。
蒸し器の使い方は、米麹の作り方を参照。
圧力鍋の場合、もち米を20分蒸す。普通の鍋の場合、圧力鍋の倍程度の時間をかけて蒸す。
もち米が水分を吸いすぎて、べとべとにならないように、カラッと蒸しあげるようにする。
もち米の蒸し方も、うるち米を米麹にする時と同じような方法で行ったので、そちらを参照。
もち米が蒸しあがったら、クッキングペーパーごと鍋から取り出して、大きめのタッパーや台の上で広げて、温度を20度ぐらいになるまで冷ます。
蒸しあがったもち米は、透明感がある。
指先でつぶすと芯がなく、柔らかいが、水っぽくはない。食べてみるとちょっと硬め。このまま、捏ねれば餅になる。
焼酎について
左が25%、右が40%の米焼酎。
単式蒸留(乙類)の焼酎を使用。
40%の焼酎を口に含むと口の中の粘膜が痛いほどアルコール分が高い。
40%の米焼酎の代わりに、25%の米焼酎を使う場合、出来上がりのアルコール分が薄くなるが、仕込みには問題なく使うことはできた。蔵見学をさせてもらった三河みりんを製造されている角谷文治郎商店さんでは、40度の焼酎を使用されていたので、今回はそれにならい40度の焼酎を使用した。
角谷文治郎商店さんでは、仕込みに使う米焼酎まで自社製造されているというこだわりがあったが、素人には真似できないので、焼酎は市販のものを使用した。
海外でみりん作りに挑戦したい場合、ドイツでのみりん作りは、米を使った蒸留酒が手に入らなかったため、穀類を原料とした38%のDoppelkornを使用した。
蒸留酒の中でもテキーラなどの蒸留酒は香りが強いので、風味づけのされていない蒸留酒を選ぶようにした。他には、ABSOLUT VODKAなどの無色透明の蒸留酒で40%程度のアルコール含有量のあるものを試した。
いずれも、出来上がりには問題なかった。
みりんのもろみを作る
焼酎を計る。 蒸しあがったもち米が20度以下になるまで冷めているのを確認する。
焼酎に米麹を入れて、米麹の塊があれば、スプーンなどでかき混ぜて、米粒の塊をほぐしていく。 消毒した仕込みの容器の中に、焼酎、米麹を入れてよく混ぜる。
もち米と焼酎、米麹を混ぜ合わせたものが、みりんの醪になる。
混ぜた直後は、醪が固くて米しか見えないが、熟成が進むと水気が出てくるので心配しなくてよい。
大きめのスプーンなどで均一になるように全体をよく混ぜる。
熟成開始:みりんの糖化
仕込みが終わった状態。 蓋は密封せずに、かぶせておくだけでよい。 Weckの容器は消毒する時は、熱湯消毒をすると割れてしまうことがあるため、熱湯消毒よりはエタノール消毒がおすすめ。
今回使用したのはWeckの1.7Lの容器。
麹歩合10%のため、もち米の割合が9、米麹の割合が1となる。 ここから使用した米と同じだけの体積のみりんが出来上がる予定。
角谷文治郎商店さんのところで「米一升、みりん一升」という製法について聞いたが、これは原料に使用した米と同量のみりんが作られるということを意味しているそうだ。
1日後、焼酎を吸って、米粒が膨らんだ状態になっている。焼酎の液体が全く見当たらない。
角谷文治郎商店さんを見学した時に聞いた通り、仕込み直後のみりんのもろみは「米の上に人が立てるくらい」固そう。 時間の経過とともに、だんだんと麹米が溶けてくるように柔らかくなるので、時々、かき混ぜておく。 このまま3ヶ月置いたのちに、漉す。絞った液体がみりんとなるので、それをさらに1年熟成させると出来上がりとなる。《続きは2018年11月にアップ予定》