【木のまな板の艶出し】オイルと蜜蝋で、ヒノキのまな板にワックスをかける方法
キッチン用品
ヒノキのまな板をカビさせずに長持ちさせるために
ヒノキのまな板を愛用しています。
プラスティックのまな板を使っていたこともあったけれど、包丁が木に当たる時の感覚がとても好きなので、プラスティックのまな板はやめてしまいました。
ヒノキを選んだのは抗菌作用と香りのよさが決め手でした。
ひとつ欠点があって、使用期間が長くなってくると、側面の部分がカビてしまうこと。水気を切る時にスタンドに立てるのですが、その時にいつも下側になってしまい、ずっと湿気ているのが原因のようです。
こうなってしまうと、かんなで削り取らないといけません。
ヒノキのまな板はそれほど安いわけではありません。なるべく長く使えるようにと、カビないようにワックスがけをすることにしました。
蜜蝋とオイルの配合を変えたり、塗り方を変えてみたりと、手を油まみれにしたり、キッチンを汚したりしながら、5、6回ほどの試行錯誤の結果、以下の配合とやり方にいきつきました。
蜜蝋を塗りやすいようにクーピーのようなスティック状にして、まな板に塗りつけるのが一番使いやすかったのでそれを紹介します。
自家製ミツロウワックスの作り方
材料(まな板のメンテナンス1~2回分)
- 亜麻仁油4g
- ミツロウ6g
道具
- 耐熱性の容器(シリコンモールドや牛乳パック)
- 湯煎用の鍋やフライパン
亜麻仁油と蜜蝋をシリコンモールドに入れます。
少量をシリコンモールドの端っこで固まらせるため、あえて隅に置きます。
私は石けんの型に使われているシリコンモールドを使用しましたが、牛乳パックを利用することもできます。
シリコン素材なので、オーブンでケーキも焼けてしまいます。
蜜蝋は未精製の蜜蝋でも構いませんが、今回は家にあった精製蜜蝋を使用しました。
精製蜜蝋の方は、色も匂いもありません。
蜂・はちみつアレルギーの人は蜜蝋の代わりにキャンデリラワックスなどを使うといいでしょう。
キャンデリラワックスは、植物性のロウで、手作りコスメなどの材料として売られています。以前これで、リップスティックを作ったことがありますが、使用感は蜜蝋と同じでした。
蜜蝋を使うと唇が荒れてしまう、という人はもしかしたら蜜蝋が合わないのかもしれませんので、試してみるといいかもしれません。
鍋やフライパンでシリコンモールドごと材料を湯煎にかけます。
材料が完全に溶けきるまで熱を入れます。ムラにならないように軽く材料を混ぜておきます。
材料が溶け切って、完全に混ざったら、このような大きいケースの場合にはを斜めになるように傾けます。
固まったら取り出します。
蜜蝋ワックスのスティックが完成しました。
これをまな板に擦りつけていきます。
蜜蝋スティックはクーピーの感触に似ています。
広い面を使うと手早く塗れます。
側面の部分にも蜜蝋ワックスを塗りつけていきます。
全面に塗った状態です。
この状態では、蜜蝋がまだムラムラままになっています。
全面にドライヤーで熱を与えていきます。
蜜蝋が溶けて、冷えると表面が均一でつるりとした状態になります。塗りムラがあったら、ドライヤーで熱をかけながら蜜蝋ワックスを再度塗り重ねます。
厚みの部分、裏面にも、ドライヤーの熱風をしっかりかけたら出来上がりです。
その後、乾燥させます。亜麻仁油は乾性油のため、乾くと膜ができます。
待てる人は2、3日でも、1週間でも空気に触れさせて乾燥させるとよいでしょう。
蜜蝋ワックスを施したまな板は水しぶきをしっかり弾きます。
光に当ててみると、テカリが出ています。
使っていると蜜蝋ワックスが剥がれてくるので、時々、同じようにメンテナンスするとよいでしょう。
10gの蜜蝋ワックススティックで、およそまな板1~2回のメンテナンスに使える。
スティックを作って、まな板に塗っていると手がベタベタになるので、気になる人は使い捨ての料理用グローブの使用がおすすめ。
ポイント
いろんな分量の蜜蝋ワックスをビーカーで作って、それをスプーンなどで取り出して、まな板に塗ってみたりしましたが、固形の状態のワックスを直接塗るというこの方法が一番簡単でした。
熱を与えることで、ワックスが均一になるので、ドライヤーは是非試してみて欲しいと思います。
蜜蝋ワックスを作るのが面倒な場合は、亜麻仁油でヒノキのまな板を簡単コーティング
もしワックスを作るのが面倒だという場合、オイルをそのまま塗るという方法があります。
何も塗っていない状態のヒノキのまな板。
このまま使うと食材の色がついたり、カビが生えやすくなってしまいます。
新品のヒノキのまな板に、食用亜麻仁油を直接塗布します。オイルが乾いたら使えます。蜜蝋ワックスコーティングをしていない分、水弾きは弱いですが、なにもしないよりはよいでしょう。
木をワックスがけするのに適しているオイルは亜麻仁油などの乾性油
ごま油やオリーブオイルなどよりも、亜麻仁油やくるみ油などがおすすめです。
なぜならば、オリーブ油などは酸化しにくいタイプのオイルで、空気にさらされても酸化しづらく、不乾性油と言われています。
反対に、亜麻仁油やくるみ油はとても酸化しやすいオイル(乾性油)で、酸化しやすいことから、これらは火を通さずに食するのが基本とされています。
亜麻仁油で油炒めなどしたら、あっという間に酸化してしまい、本来、体によいオイルであるはずの亜麻仁油も体に悪いオイルへと変化してしまう。
乾性油は乾くと、油絵のニスと同じ役割をする
食するという点では、オイルの酸化しやすさはデメリットとなります。
この特性を利用して、油絵の制作時には、酸化しやすいというオイルの特性がピグメント(顔料)を定着させる素材として利用されている。
ケシの実からとれるポピーシードオイルや亜麻仁油と同じ亜麻からとれたリンシードオイルは、乾性油の代表的なもので、油絵制作用にも販売されています。
やった人ならわかりますが、リンシードオイルと油絵の具を混ぜるて絵を描くと2、3日で乾き始めて、テカリがでてきます。これはいわゆるニスで塗ったのと同じ状態になり、このように乾き切ったのちには、表面を多少手で触っても、水が触れても、顔料が溶け出て来ることもありません。
でも、もしここで間違えて、不乾性油のオリーブ油で油絵を描いたとすると、キャンバス表面の油絵の具の顔料は乾かずに、いつまでもベタベタしています。触ると油気のある絵の具が手について、大変なことになります。不乾性油で溶かした油絵の具は本当に何ヶ月も乾かないので、ペンキ塗りたての危険な状態がずっと続くことになります。(おまけに油絵の具は服につくと取れにくいのです。)
オリーブ油をまな板に染み込ませても、木がある程度は油を吸収してくれますし、ベタベタのままということはありません。でもニスのようなコーティング作用が欲しければ、やはり亜麻仁油などの酸化しやすいオイルを使うのがよいと思います。
いつもは冷蔵庫に保管して、生で食しているオメガニュートリションの亜麻仁油を使いました。オメガニュートリションの亜麻仁油はボトリングが超立派で、かなり頑丈です。
話題の健康オイル、オメガ3を含む亜麻仁油
酸化しやすいオイルなので、亜麻仁油を買う時は遮光瓶に入ったものか、こういった光を通さないボトルのものをおすすめします。