1)温度
手作り食品を発酵させる時に、やはり温度管理がとても重要。
温度管理ができていないと、食品が上手く発酵せずに、失敗してしまうということはよくある。
発酵、培養させる菌、酵母によってどの温度が理想的なのかということを把握しておくこと。
それにはまず温度を管理できる道具が必要となる。
おすすめの道具1)
電気毛布
6〜9段階ぐらいで、温度調節ができるもの。人間とは共有せずに、発酵用のものを確保する。
パナソニックのこの商品は温度調節機能がついていて、8段階で温度を調節できる。
水洗いも可能。
おすすめの道具2)
TANICAのヨーグルトメーカー「ヨーグルティア」
25度から65度まで対応しているため、これひとつでヨーグルト、米麹、納豆、甘酒を作ることができる。
消費するW数が少ないので、海外でも小型の変圧器を使えば利用可能。(メーカー推奨されていないと思うので、自己責任で。)
ただ、納豆菌と麹菌は仲が悪いため、将来的に醤油醸造用の醤油麹を作りたい人は、道具を同じものにしない方がよい。時間が経っても道具についた納豆菌によって、醤油麹が上手く育たず、麹菌が納豆菌に犯されてしまう可能性が大きい。
醤油醸造をしたい人は、道具を分けるのはもちろんのこと、同じ室内や家に納豆菌を生存させないように工夫することが醤油麹の発酵を成功させる大事な鍵となる。
2)湿度
温度管理と並び、湿度管理も大切。
例えば、麹菌を培養するには90度の湿度が必要となる。温度管理が正しくできているのに、発酵が進まないという場合には、湿度管理が正しくできているか、一度再確認するのがよい。
最低一本は欲しい。安くて便利。電池がいらないので、私はこのタイプを使っている。
3)換気
米から麹を作るには、麹菌繁殖のために空気が必要となる。酒仕込みにも空気が必要で、発酵の途中で容器を密封すると破裂するかもしれない。
反対に味噌は通性嫌気性のため、発酵途中に味噌をつめた保存袋を完全に閉じてしまっても発酵が進む。
通気性、好気性の菌、酵母なのかどうかを理解して、発酵させるようにする。
4)道具の殺菌消毒
発酵のための料理道具や容器は、必ず殺菌や消毒をするようにする。
滅菌のためにはいくつかの方法がある。
熱湯消毒
もし熱湯消毒する場合には、耐熱容器を使うのがよい。
容器をお湯からではなく、水から湯煎にかけて煮沸消毒をする。しかし、WECKのようなガラス容器は、80度までの温度にしか耐えられないので耐熱ガラスかどうかをよく確認するのがよい。
(実際に割ってしまった経験あり。)
アルコール消毒
仕込みの前には必ず消毒しよう!雑菌が入るとどぶろくがまずくなる!
塩素消毒
塩素で消毒した場合、容器の消毒そのものは可能だが、容器に塩素の匂いが残ってしまう可能性がある。
なお、経験者の話によると、塩素消毒した容器でパン用の天然酵母を培養したところ、酵母が死滅してしまったそうだ。
菌や酵母によっては、塩素が微量でも残った環境では培養できないことがあるのかもしれない。
5)衛生面に気を配る
もし手に傷があるなどの場合には、手作りの発酵食品にブドウ球菌や細菌が繁殖してしまわないように、食品を素手で触らないようにする。
味噌のような塩分濃度が高い発酵食品にでも、傷口からの細菌が繁殖する可能性があるので、十分に注意する。
手に傷がある時などはかならずビニール手袋を使用するようにしている。アレルギーの面から考えて、ゴムではなくパウダーフリーのビニール製のものを使うようにしている。
6)適した気候を選ぶ
日本のような暑すぎる夏に味噌を作っても、できないことはないけれど、カビが生えやすくなる。
味噌も酒も醤油も昔から、日本では寒仕込みで作られてきた。
冬場でなくても、作ることができるものもあるけれど、無理して作ると失敗するかもしれない。
発酵に適した気温、気候を選ぶのがよい。
7)自分の体調が良い時に作る
当たり前のことだが、無理して体調が悪い時に作ると、私の場合はよく失敗する。
発酵食品作りの時は、自分の体調も万全にして、麹菌や酵母の体調を整えてあげられるようにして挑む。